葬儀にまつわるコラム
一日葬とはなにか?通夜をしない新しい形式のお葬式について解説
2020.06.11
目次
一日葬は通夜を行わない葬儀です
一日葬という形式の葬儀が増えてきました。そもそも葬儀というのが二日間を通して行われるものだ、という認識がある方にとっては聞き慣れない用語かもしれません。
一日葬というのは、基本的に通夜を行わないお葬式のことを言います。近年になってから浸透してきた形式でもあり、一般葬と比べても参列者が少ない場合や費用をなるべく抑えたいという方を中心に選択されている形式になります。
お葬式の形式の変化
お葬式の形式というのは時代を重ねてくる間、様々な変化をしてきた背景があります。
元々のお葬式から納骨までの流れにおいては、人が亡くなったその日のうちに行う仮通夜や枕経、通夜、告別式、初七日法要、四十九日法要、と続いていくものでした。また、本来であれば初七日法要の後にも一週間ごとの法要が必要とされています。さらにその後には、百か日法要、一周忌法要・・・と続いていきます。
しかし、現代では日常生活に忙しく、仮通夜や各種の法事ごとなどに頻繁に集まることが難しくなってきました。また、身内を中心としたお葬式が増えてきたため、参列者も減少してきている傾向にあります。
その結果、本来は行われていた行程から省略される部分が増えてきたのです。例えば本来は火葬後に営まれた初七日法要が、式中に組み込まれるケースもそれにあたります。それに伴い、通夜に関しても省略してしまおうという考えも生まれてきたため、一日葬という形式で行うことも増えてきたというわけです。
一般葬と一日葬の違い
一日葬というのは、単に通夜を行わないお葬式というだけでなく、参列者を限定しているという側面もあります。訃報を回し、親族や友人だけでなく会社関係や町会関係など様々な関係の人に来てもらうというのが一般葬ですが、一方で一日葬では親族中心の式になることも多いです。
そもそもお通夜は参列者が来やすいような夜間の時間に設定されており、告別式は日中の午前中の時間に設定されています。そのため、よほど大規模な葬儀でない限りは告別式は親族中心の式になっていますので、もともと参列者が少ない葬儀は自然と一日葬になりやすい傾向にあります。
もちろん必ずしも参列を辞退されているということではないのですが、もしも一日葬の葬儀に参列をする際は、ある程度参列者を限定している場合もありますので、可能であれば遺族に対して事前に伺う意向を伝えておいた方がよいでしょう。
火葬式と一日葬の違い
火葬式も一日の中で行うという意味においては同じですが、その流れは全く異なります。火葬式は直葬とも言われ、式場を使ったお別れなどをせずに火葬場の炉前に直接集合してお別れをするという形式の葬儀です。炉前に集合する人数というのも家族が中心となるため、場合によっては親戚の参列もありません。
一日葬は通夜を行わないだけで、告別式の流れそのものは同じになっていることがほとんどです。
一般的な一日葬の流れ
- 1. 逝去〜遺体の安置
- 2. 開式
- 3. 読経〜弔電奉読〜お花入れ〜出棺挨拶
- 4. 閉式
- 5. 火葬場へ向け出棺
- 6. 火葬
- 7. 精進落としの会食
一般葬と比べた一日葬の費用
一日葬の費用は、一般葬と比べても葬儀費用を抑えることができます。なぜなら参列者が少なくなるため、返礼品や料理にかかる費用が減るからです。神奈川県の一般葬の葬儀費用の平均は約186万円(お布施を含む)というデータがあります。一方の一日葬では、お布施を含まない金額で40万〜80万ほどと言われています。
こうした費用の違いから、実際の金額はプランによって変動をするものの、一日葬のほうが確実に葬儀費用を抑えることができると言えるでしょう。
一日葬のプランがお得な場合もある
一日葬が広まってきたことにより、どの葬儀社であっても一日葬専用のプランを出していることが多いです。具体的には、必要なものをまとめたセットプランのようになっていたり、自社式場の会館の利用料などを二日分ではなく一日分の設定としているようなものです。
ただし、火葬場が併設されているような斎場や自社式場以外の斎場では、二日分の式場使用料がかかってしまうことがほとんどです。通夜は行わないとしても別の葬儀の予約は入れられないので、その葬儀のために斎場を二日間おさえる必要があるからです。
他にも、通夜としての式は行わないが、告別式の前日に故人に付き添うために斎場へ泊まるといった、付き添い安置が可能なところもあります。葬儀社へと相談し、それぞれの希望に沿ったプランを決めていくのが望ましいです。
まとめ
一日葬が普及してきた背景から他の形式の葬儀との比較、そして費用面における違いについても解説してきました。二日間の参列では時間的にも費用的にも負担がかかってしまうといった方にはメリットの大きい葬儀形式ですが、一方で、一日の行程がタイトになってしまったり、お別れの時間をゆっくりと設けることができないという側面もあります。一日葬を選択する際はそういった点も含めて、家族間でよく相談をしてから決めることをおすすめします。
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